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2021年7月

ジャニス・ジョプリン

アレサの勢いにのって、今度はジャニスを鑑賞。こちらは2013年ブロードウェイミュージカル「A Night With Janis Joplin」の映画化です。物真似と侮るなかれ。ジャニス役の太っちょメアリー・ブリジット・デービーズ、そして女性黒人シンガーたちが熱唱に次ぐ熱唱で、ブルースを堪能する。テンポもよく、大音響で感激。年配多めの客席が、ノリノリなのも楽しい。
デビッド・ホーン監督。ガラガラのシアター東劇で特別料金3000円。残念ながら割引適用はなし。

歌をたっぷり聴けるのが、まずいい。ストーリーはあまりなく、一夜のショーの形式で、ジャニスを形作ったレジェンドたちとの「夢の共演」をたたみかける。エタ・ジェイムズのR&B「Tell Mama」、オデッタのフォーク「Down on Me」、ベッシー・スミスのブルース「Nobody Knows You When Youre Down and Out」、「幻の共演」女王アレサ・フランクリンのソウル「Today I Sing the Blues」「Spirit in the Dark」、そしてニーナ・シモンのピアノジャズ「Little Girl Blue」! アレサやニーナ役はアシュリー・テイマー・デイヴィスという人。

発見もある。67年モントレー・ポップ・フェスでの「Ball and Chain」や69年ウッドストック・フェスでの「Work Me,Lord」で、一躍ロックのアイコンとなり、1970年に薬物過剰摂取のため急死、享年27才。ジャニスの「伝説」は無軌道なヒッピー文化そのものと思ってたけど、そのイメージはもしかすると時代ゆえ。実はテキサスの白人中流家庭に育った、「絵を描くの好きなお嬢さん」だったんですねえ。
ケタ外れの才能で、精神は幼いまま大成功しちゃったジャニス。深い孤独を抱え、音楽的にはこれからという時に人生が断ち切られちゃった。「Summertime」の圧巻のシャウトが切ないからこそ(アレサのAmazing Graceに匹敵!)、ラストで皆で大合唱する「Mercedes Benz」の他愛なさが、なんとも染みます。

セットリストはほかに「Piece of My Heart」「Cry Baby」「Try」「Get It While You Can」「Maybe」「A Woman Left Lonely」「Half Moon」「Kozmic Blues(よい!)」「Trust Me」「To Love Somebody(よい!)」「Turtle Blues」などなど。ただブルースいいけど、朝聴くと勤労意欲は失せますな。
なんか大好きな「ローズ」をリメイクする計画もあるとか。ほー。「松竹ブロードウェイシネマ」の一作。

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