引っ越し大名!
江戸前期、生涯7回もの国替えをさせられた実在の大名・松平直矩(及川光博)。姫路から日田へ、しかも減封の苦境で、引っ越し差配を命じられたのはコミュ障で「かたつむり」と呼ばれた書庫番・片桐春之介(星野源)。しかし彼には最強の武器、有り余る知恵と無私の心があった… 原作・脚本は土橋章宏原、監督は犬童一心。録画で。
理不尽な苦境を打開していく群像は、ひたすら爽やかで元気が出る。まず冒頭のタイトルが松竹!時代劇!で嬉しい。
頼りなさげな星野源はもちろん、周囲のキャラとキャストが絶妙のはまり具合だ。前任引っ越し奉行の娘・於蘭(高畑充希)が凛として切なく、お調子者の御刀番・鷹村源右衛門(高橋一生)の天下三槍「御手杵」遣いが格好良く、勘定頭・中西監物(濱田岳)が健気で、取り残されて農民となる山里一郎太(小澤征悦)に大人の哀愁がある。
ほかに家老・松重豊、留守居役・山内圭哉、母・富田靖子、廻船問屋・岡山天音、リストラされる藩士に飯尾和樹、ピエール瀧ら。そして敵役には次席家老・西村まさ彦、皿が大事な勘定奉行・正名僕蔵、渋い隠密・和田聰宏と豪華です。
劇中を彩る「引っ越し唄」シーンの振付・監修はまさかの野村萬斎で、まるでミュージカル。ラストの主題歌、ユニコーンの「でんでん」まで、染みます。
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