フォードvsフェラーリ
新参者フォード(GT40)が王者フェラーリに挑んだ、1966年ル・マン24時間耐久レースの実話をアレンジ。高速レースシーンが今にもクラシュしそうで、特に雨の夜のシーンとか、ハラハラドキドキだ。
車好き「男の子」たちの子供っぽさと、勝負に負けても心はチャンピオンだ!というテーマが、一貫してベタながら、あっけらかんと爽やか。「ナイト&デイ」「ローガン」のジェームズ・マンゴールド監督。録画で。
乱暴だけど才能あるレーサー、ケン・マイルズを演じる怪優クリスチャン・ベールがいい。デイトナの祝勝会に照れながら参加するシーンとか、クセがあって不器用で。その夫を励ますため、何故か無茶な運転をしちゃう妻のカトリーナ・バルフがチャーミングだし、一人前に「ブレーキ」とか指摘する息子も可愛い。
重役の口出しと闘うカーデザイナー、キャロル・シェルビーのマット・デイモンは安定の演技。ケンと殴り合って心が通じ合うとか、レース中にフェラーリチームを混乱させようとちっちゃい悪戯をするとか、嫌いじゃないな。
レース界の大人の事情もテンポよく展開。ベビーブーマー向けイメージ戦略を画策するアイアコッカは、イメージ通りしたたかな造形。ヘンリー・フォード2世がフェラーリに買収を袖にされ(イタリアのプライドと対フィアット交渉術ですね)、また偉大な祖父へのコンプレックスから参戦を決断するあたり、権力者って感じです。テストコースでキャロルに同乗させられて、あまりのスピードに、いい年してビー泣きしちゃうところが可笑しかったな。
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