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2019年8月

アリー/スター誕生

主題歌の大ヒットが懐かしい、1976年バーブラ・ストライサンド主演「スター誕生」の、また37年の元ネタからは3度目のリメーク。主演レディー・ガガ様の、切なくもパワフルな歌唱力を楽しむ。機内で。
片田舎のウエイトレス・アリー(ガガ)が、カントリーロックの大物ジャクソン(監督でもあるブラッドリー・クーパー)に見いだされ、結婚すると同時に、ポップスターの階段を上がっていく。痛快だし、ライブシーンなどにガガの才能と温かみが溢れて、説得力がある。
一方、ジャクソンはアリーと出会う前からアル中という設定。支えていた兄とも決裂しちゃって、泥沼にはまっていく。痛々しいものの、ダメな感じは色っぽいな。
音楽プロデュースはルーカス・ネルソン。ダイアン・ウォーレンらが曲を提供してるようです。

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七つの会議

池井戸潤の日経電子版での連載を、おなじみ福澤克雄が映画化。謎解きはしっかりしてるし、豪華キャストなんだけど、主役・八角が野村萬斎で、いくらクセモノの設定とはいえ、とても一般人には見えず残念。サラリーマンの戦場=会議、不作為の罪、といったテーマも、わかりにくかったかな。機内で。
中堅電機メーカーで、何故か生き残っているグウタラ社員をめぐる騒動から、ネジをめぐる不祥事が浮かび上がっていく。裏のある部長の香川照之がさすがに上手く、開き直ってドーナツ販売を始める朝倉あきがカワイイ。できる男から一転して弱気になっちゃう片岡愛之助、平凡だけど芯がある及川光博もよかった。

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キングダム

人気漫画の実写映画化を機内で。バトルシーンが売り物で、ゲームっぽいものの、どでかい中国の統一という野望を本気で目指す若者たちのスケール感が心地いい。「GANTZ」とかの佐藤信介監督。
時は乱世の中国春秋時代。大将軍を夢見る下僕の信(山﨑賢人)が、後に始皇帝となる嬴政(えいせい、吉沢亮がクールに)に仕え、王位奪還のため戦う。
山崎の直情ぶりはいかにも漫画なんだけど、持ち前の爽やかな目ヂカラでひきつけちゃう。アクションも格好いい。山民族王・楊端和の長澤まさみが痛快で、秦の6大将軍の1人、王騎の大沢たかおがなかなかの怪演だ。敵役の弟・成蟜(せいきょう)は曲者・本郷奏多、壮絶なバトルを演じる左慈には坂口拓。

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グレイテスト・ショーマン

大物ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル。19世紀の伝説のサーカス興行師P・Tバーナムの半生が題材とあって、いかがわしさ満載。今の時代に合ってるのか合ってないのか微妙だけど、フリークたちの爆発力は爽快だ。機内で。
「ラ・ラ・ランド」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した楽曲は、期待通りキャッチー。CM出身、初メガホンのマイケル・グレーシー監督が、酒場などレトロなセットで、精緻かつキレキレのダンスシーンを繰り広げる。空中ブランコの浮遊感が効果的です。
バーナムって何故か占いをあたってる、と思っちゃう「バーナム効果」の語源となった人なんですね。短く言うと山師。でも、ジャックマン君なら許せちゃうんだなあ。

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年アカデミー賞作品賞の話題作を、機内で。評判通りすっごく面白かった~ 長回しにしか見えない驚異的な編集力で、妄想シーンを含めドキュメンタリーのような味わいだ。メキシコ出身の曲者アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の才気が光る。
まずブロードウェーの舞台に渦巻くエゴが重層的。欠点だらけで愛らしい俳優たち、次々起こるトラブルに振り回されるプロデューサー、鼻持ちならない女性ベテラン評論家、無責任な大衆。
さらに舞台という芸術への尊敬や、夫婦、親子の不器用な愛情、SNSの怖さなどがからまる。題材となる舞台作品が、気取ったレイモンド・カーヴァー原作というのも面白い。
ユーモアもあって、追い詰められたリーガンがなんと下着姿で、懐かしいブロードウェーの人混みを歩くシーンは爆笑。そして妄想のバードマンと朝のNYを飛翔するシーンの爽快感は、映画的感興に満ちる。
落ち目のヒーローもの俳優リーガン役、「バットマン」のマイケル・キートンがまずいい味。薬物依存を克服しようと付き人をつとめる娘サム役、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが、繊細で素晴らしい。才能があるが問題児マイクにエドワード・ノートン、マイクの恋人レズリーにナオミ・ワッツ、リーガンの元妻にエイミー・ライアンと、安定感がある。

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ONCE ダブリンの街角で

アイルランド旅行から戻った復習編は、ジョン・カーニー脚本・監督の音楽映画。映画を元にしたミュージカルを来日で観たことがあるけど、改めて切ない楽曲が染みる佳作です。録画で。
お話はシンプルな大人のラブストーリー。30代のストリート・ミュージシャン(グレン・ハンサード)が、チェコ移民の花売り女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会って勇気を得、デモテープを作る。不器用に恋心を寄せるものの、マルケタは離れていた夫を選択。グレンは思いを残しつつ、夢を追ってロンドンに旅立つ。
制作費15万ドル、街頭では許可なく望遠レンズを多用したという映像はドキュメンタリータッチ。主演2人が作って歌う手作り感も好ましい。グレンのアパートで撮影したというパーティーシーンの歌の素朴さ、レコーディング後にエンジニアが「カーステ・テストだ」と言い出して、海岸へドライブするシーンの解放感も印象的。グレンを送り出す、修理工の老父が泣かせます。

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