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2018年10月

太陽の塔 TOWER OF THE SUN

縄文展から岡本太郎記念館の流れで、長編ドキュメンタリーを鑑賞。パルコの曽根祥子がプロデューサーを務め、公募で選ばれた監督は、映像クリエイターで1976年生まれの関根光才。
48年ぶりに塔内展示「生命の樹」が一般公開されたタイミングでのロードショーだが、制作秘話や作品解説ではない。研究者やアーティスト29人へのインタビューを構成し、監督自身が今、あまりに有名な巨大建造物に何を思うか、を語っていて興味深い。シネクイントのサービスデーで1100円。
全編を引っ張るのはやはり、塔が放つ強烈な異物感だ。1970年、「人類の進歩と調和」をテーマに6400万人を動員した国家的イベント、大阪万博にあって、岡本太郎がぶつけたメッセージはなんと「人類は進歩なんかしない」だったのだ。
パリから戻った岡本が目指した日本オリジンへの回帰、縄文土器や花巻の鹿踊り、アイヌ、沖縄を俯瞰し、塔と同時期に制作された壁画「明日の神話」を読み解く。その科学不信は、311を経験した現代日本だからこそ深い。さらには塔内部が描く壮大な生命史に、曼荼羅やチベット仏教との共鳴を見る。
登場するのは民俗学の赤坂憲雄、文芸批評の安藤礼二、人類学の中沢新一、ダンサーの菅原小春ら。いやー、やっぱりタダモノではないなあ。

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