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2017年11月

「チョコレートの兵隊さん」「ドレスにかくされた秘密」「マカッチャン夫人」「アメリアのクローゼット」

番外編で「キネコ国際映画祭2017」。25周年を迎える子供映画祭に初めて足を運んでみた。椅子が大きくて快適なシネコンの、109シネマズ二子玉川で。会場周辺はスポンサー企業による撮影やら紙芝居やら、ワークショップテントが並び、レッド―カーペットもあって親子連れで大賑わいだ。

上映作には人気のアニメなどもあるけれど、グランプリノミネートの作品は子供が主役とはいえ、なかなか歯ごたえがある内容。Cプログラムの短編4作を鑑賞した。1本が20分程度で、「ライブ・シネマ」と呼ぶ声優がスクリーン袖に立って、生で吹替をするスタイルだ。

「チョコレートの兵隊さん」はアメリカのジャクソン・スミス監督。第二次大戦末期のドイツで、不自由な疎開暮らしの少女が若いアメリカの兵士と心を通わす実話。
これに比べると、続く「ドレスにかくされた秘密」はかなりシニカルで見ごたえがあった。台湾の女流オン・チ・イ監督。余白があり、詩情豊かな映像で、暮らし向きの違う2人の少女の可愛らしい友情と、その破綻を描く。貧しい祖母の家で暮らす少女が、お洒落な教師に自分を捨てた母を重ねる思いが悲しい。目の演技が印象的な主演のローズ・ユと監督が来日していて、会場の質問に答えてました。山田祐子訳。

後半の「マカッチャン夫人」はオーストラリアのジョン・シーディ監督。お茶目でテンポがあり、タッチは「ドレス…」と正反対ながら、同様に起伏があった。性同一性障害で女の子姿を選択したトムは、周囲の好奇の目に挫けかけるが、級友トリバーの励ましで勇気を得る。ファンキーなトリバーの母や、理解ある周囲の大人が微笑ましく、風船一杯のダンスパーティーシーンが楽しい。泣けた~
最後の「アメリアのクローゼット」はアメリカのハリマ・ルーカス監督。黒人少女アメリアはいじめの仕返しに、級友の持ち物を盗んでいたが、父に諭されて…
4本のうち3本で両親が一緒にいないというのが、世界共有の現実なのかも。

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