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ブリッジ・オブ・スパイ

スティーブン・スピルバーグ監督、マット・チャーマンとコーエン兄弟脚本。東西冷戦でスパイ事件に巻き込まれた民間人弁護士の実話を描く感動作だ。機内で。

ジェームズ・B・ドノバン(トム・ハンクス)は保険分野のヤリ手弁護士。1957年にソ連のスパイ、ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受け、国策裁判の壁と世論の批判に立ち向かって、禁固刑を勝ち取る。そして1960年。偵察機パイロットのフランシス・ゲーリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)とアベルの交換を託されたドノバンは、極寒の東ベルリンに乗り込み、学生フレデリック・プライヤー(ウィル・ロジャース)を含む2対1の交換を主張。CIAのホフマン(スコット・シェパード)らと対立しつつ、命がけの交渉に臨む。

前半はブルックリンハイツなどが舞台。ソ連の核に対する恐怖に煽り立てられる大衆心理と、そんな世間に対し、人権の理念こそが移民国家をまとめる軸だと語るドノバンの毅然さ。今こそ耳を傾けるべきテーマだ。
さらに後半、まさに壁が築かれつつあるベルリンの殺伐とした光景は、個人的にも2年前に訪れているだけに、胸に迫る。チェック・ポイント・チャーリーとグリーニッケ橋の緊迫の交換シーン。ドノバンとアベルは共に国家の非情を知り抜き、立場は決して交わらないが、互いの信念を認め合う関係になっていく。

個人、大衆、国家。いったいこの時から、世界はどれほど進化しているのか。苦みを残す作品でもある。

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