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2015年9月

AKIRA

大友克洋がカリスマ的SFコミックを、自ら監督して劇場アニメ化。共同脚本は橋本以蔵。鉄雄がむくむく巨大化し、機械と結合していくあたりの気持ち悪さが、いま見てもぶっちぎりに独創的だ。こんな映像、よく思いつくなあ。しかも1988年製作とは! 録画で。

物語は新型爆弾による崩壊後のネオ東京。なんと2020年に五輪を控えているという設定だ。
不良バイクチームの鉄雄が危険な超能力に目覚めてしまい、五輪スタジアムで暴れまくり、リーダーの金田、ゲリラ組織の少女ケイが立ち向かう。シュールだなあ。そしてお馴染み老人コドモの超能力者たちが、不気味にもホルマリン漬けにされていた伝説の超能力少年アキラを覚醒させ、鉄雄を葬る。

帝国の抗争とか超能力の意味とか、あまり難しい経緯はなくて、鉄雄の金田に対する切ない劣等感と、そこから生まれる破壊のイメージが強烈だ。少年なら誰の心にも、ちょっとは潜んでいそうな焦燥。
個人的にはむしろ、バイクの疾走感が素晴らしいかな。それとやっぱり、金田の不屈の不良精神。マンガらしい造形で、セリフがいちいち格好いいです。
ハリウッドで実写版の計画があるらしいけど、これを一体どう料理するのやら。

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マレフィセント

「眠れる森の美女」を思い切り改変。王女を呪うヴィラン(悪役)、マレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)を主役にしちゃったファンタジーだ。ディズニーさん、どうしてこうも女性を活躍させたがるのか?と疑問に思うほど。夢があるんだか、ないんだか…。
プロダクションデザイナーのスロトロンバーグが監督デビューとあって、妖精たちのCGは素晴らしい。録画で。

本作の悪役は、明快にステファン王(「第9地区」のシャールト・コプリー)だ。若き日のマレフィセントを傷つけて王位を手に入れ、復讐を恐れてどんどん人相が悪くなる。
王に裏切られ、大事な翼まで奪われた妖精マレフィセントは、怒って王女オーロラ(エル・ファニング。ダコタの妹ですね)に呪いをかける。当然でしょ。ワルモードの高まりを分かり易く表す、アンジェリーナのメーク(赤い唇とこけた頬)、堂々たる演技が秀逸です。
ところが根が善人のマレフィセントは、森の妖精3人に預けられたオーロラを愛しく思うようになり、結局、自らキスで命を救っちゃう。えー! フィリップ王子かたなし過ぎ。

蜂や木、蛙などをかたどった妖精たちの造形が面白い。マレフィセントの手下となるカラスで、終盤ではドラゴンに姿を変えるディアヴァルのサム・ライリーもいい味だ。

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