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2015年8月

レインメーカー

ジョン・グリシャムのヒット作を巨匠フランシス・フォード・コッポラが監督。弁護士稼業の裏をシニカルに描いた秀作だ。録画で。

当時27歳のマット・デイモンが、迷いながら成長していく駆け出し弁護士ルーディを好演。瀕死の白血病の青年と母(メアリー・ケイ・プレイス)の依頼に応え、保険金不払いであくどい保険会社を訴える。

庭の廃車にこもっちゃってる青年の父や、支払いマニュアルを暴露する元査定係ジャッキー(ヴァージニア・マドセン)ら、ルーディ陣営の脇役が秀逸だ。存在が真に迫っていて、物語のテーマを際立たせる。貧しい社会的弱者たちに、法は何をもたらすのか?
もちろん単純な善人というわけではなくて、無資格なのに駆け引きに通じた食えない相棒デックは、お馴染みダニー・デヴィートがさすがの曲者ぶり。こともあおうに脱税で行方をくらましちゃう元ボス弁のミッキー・ロークも、出番は少ないのに存在感たっぷりだ。

ルーディはDV被害者(クレア・デインズが儚く)を救い、保険金裁判でも辣腕弁護士(ジョン・ヴォイト、アンジェリーナ・ジョリーのお父さんですね)やCEO(ベテランのロイ・シャイダー)らを打ち負かす大活躍。ところが結局、得るものはなく、法廷を去る決意をする。シンプルなハッピーエンドじゃないからこそ、胸に残るドラマです。

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ルパン三世

ご存知、傑作アニメの実写版。原作の強烈キャラや洒落たタッチへのオマージュは少なめで、CG満載のアクション映画の趣で、印象はチープ。むしろ富を巡る攻防の舞台がシンガポール、香港、タイで、やたら立派なビルが登場し、アジアパワーを強調しているのが興味深い。}プロデューサーと脚本は「クローズ」シリーズなどの山本又一朗、監督は北村龍平。録画で。

ストーリーはけっこう複雑なんだけど、まあ、盗賊集団のボスの弔い合戦を兼ねて、ルパンがアジア裏社会のボスとクレオパトラの首飾りを奪い合う、ということです。
現実感のないサイバー空間でのやりあいに、タイ軍隊をまじえた派手なドンパチを組み合わせた。大人の恋の駆け引きはなく、兄妹愛と仲間意識がメーンでドラマとしては物足りない。

ルパン三世の小栗旬はまあまあの出来。2番手は盗賊仲間マイケル役のジェリー・イェン。台湾アイドルF4のメンバーなんですね。知らんかった。ルパンの仲間として韓国アイドル、T-MAXのキム・ジュンも出てます。
日本勢は、次元に玉山鉄二、五ェ門に綾野剛、峰不二子に黒木メイサ、銭形のとっつぁんに浅野忠信と、役者を揃えてるんだけど演技の見せ場はなし。敵の刺客で、黒メークの中山由香が怪演。


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アデライン、100年目の恋

事故によって何故か年を取らなくなり、面倒を避けるため素性を隠して生きる女性アデラインの、生涯2度の恋を描く。荒唐無稽なロマンティックファンタジーだけど、タッチが上品で雰囲気がある。リー・トランド・クリーガー監督。機内の吹き替えで。

一目で運命の彼を恋に落とすヒロイン、アデラインを演じるブレイク・ライヴリーが堂に入った演技だ。見た目は20代でも、100年生きた知恵が溢れる。ユーモアある当意即妙の切り返しもいい。
ちょっと不器用な彼、エリス・ジョーンズ役のマイケル・ユイスマンはなかなか色気があり、その父ウィリアムのハリソン・フォードが元気に走る走る。車のキーを投げるところが素敵だ~
ベテラン、エレン・バースティンが、見た目はずっと年下の母を気遣う娘を好演。説明調のナレーションも古風で悪くないです。

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トゥモローランド

ウォルト・ディズニー・ピクチャーズのテーマランド販促映画。販促に大物ジョージ・クルーニーが主演しちゃうのが凄いところだ。SFアドベンチャーで、絵に描いたような「未来は変えられる」テーゼが爽快。監督は『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のブラッド・バード、脚本はデイモン・リンデロフ。機内の吹き替えで。

聡明でひどく前向きな少女ケイシー・ニュートンは、環境破壊などから世界を救うべく、フランク(クルーニー)と共にトゥモローランドの謎に挑戦する。ブリット・ロバートソンが溌剌としていい。吹き替えははまり役の志田未来。
そしてケイシーを見込み、導くのは悲しいアンドロイドのアテナだ。ラフィー・キャシディーが見事に演じる。ケイシーの父、エディ(ティム・マッグロウ)がファンキー。

たとえストーリーはちょっと安直でも、アイデアを持つ地球上のすべての人を勇気づけるという、楽観的な信念に拍手。

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