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グッバイ、レーニン

ヴォルフガング・ベッカー監督の、軽快で淡々としていて、同時に味わい深いコメディだ。ダニエル・ブリュール、カトリーン・ザース。ベルリン旅行の思い出に、録画で視聴。

旧東ベルリンに住んでいた若者アレックス(ブリュール)は、熱烈に社会主義を支持し、病に倒れて壁崩壊を知らなかった母クリスティアーナ(ザース)に命にかかわるショックを与えまいと、東ドイツ体制が継続しているかのように偽装する。
急速に西側文化にさらされ、生活が揺らぐベルリン住民の戸惑いが滑稽、かつシリアスだ。どんどん失われていく東側の文化を再現しようとする、l虚しい努力。なんとテレビニュースも作っちゃったりして、ありえへん。可笑しいんだけど、胸に響く。不便でもダサくても、それが文化だったのだ。

やがて実は家族はかつて、西側に亡命しようとしていたことが判明。政治に翻弄されたそれぞれの人生に、どんな葛藤があったのか…。嘘を突き通そうとするアレックスと、騙されとおそうとする母との、なんとも複雑な表情が、繊細で素晴らしい。国家の統合と、家族の思いが重なっていく佳作。
ちなみに宇宙飛行士役は本物らしい。

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