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2014年8月

塔の上のラプンツェル

ウォルトディズニーアニメーションスタジオの長編作品50作目だそうです。監督はバイロン・ハワード、ネイサン・グレノ。3Dの壮大華麗な映像にのせて、愛くるしいヒロインが歌いまくるザ・ミュージカルだ。大ヒット作「アナ雪」につながる仕掛けにめちゃめちゃ納得。

グリム童話を元にしているけど、正調・王子さま噺。王子といっても助けに来るのは大泥棒のフリン(ユージーン)で、格好よく、かつかなりワルなのも乙女心をワシヅカミにします。キャラ設定が巧いなあ。
ディズニー・ヴィランズのマザー・ゴーテル、王女の親友カメレオン、警護隊長の愛馬マキシマスもそろそろ存在感たっぷりだ。
ラプンツェルの吹き替えは中川翔子だけど、達者な歌は小此木麻里。曲はディズニー映画でお馴染みアラン・メンケンで、「輝く未来」が伸びやかだ。

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アメイジング・スパイダーマン2

マーク・ウェブ監督のリブートシリーズ第2弾。悩みまくりの思春期ヒーロー、本作では高校を卒業したところ。のっけからアクション全開で、スパイダーマン(目がデカイ)が大NYをひゅんひゅん飛ぶので、目が回りっぱなしだ。派手な破壊、スローモーションも単純に楽しい。3Dで観たらどうなることか。機内で。

主役ピーターのアンドリュー・ガーフィールドはチャラくて情けない感じが、はまっている。(「ソーシャル・ネットワーク」の訴訟をしかけるCFOの子ですね)。グウェンにほとんどストーキングしちゃうし。なんてこった。恋人、親友、亡き父、ヒーローであること、などなど葛藤のタネは尽きません。

今回の敵は主に2人。冴えない電気技師(ジェイミー・フォックス)が凶暴な電気人間に変身(吹き替えは豪華に中村獅童だ)し、幼馴染で巨大企業オズコープ後継者となる、いけずなハリーと結託して、ピーターに襲いかかる。ハリーのデイン・デハーンが怪演。
敵がもともとはスパイダーマンの大ファンだったり、友人だったりする屈折ぶりは、いかにもアメコミらしい。可愛さあまって憎さ100倍。
悲劇の恋人グウェンはエマ・ストーン。賢くて、卒業式でのスピーチが重要なキーになる。冒頭とラストに追っかけっこするロシア系マフィアのライノは、コミカルな役回り。マーベルのスタン・リーは、卒業式シーンでカメオ出演してます。

まだまだ続編が予定されているらしい。ハリーの美人秘書(フェリシティ・ジョーンズ)とか、つながりそうなキャラが盛りだくさんだ。謎の帽子男の正体も、次作以降のお楽しみ。こういうところが、ファンサービスなんだろう。たまたま機内で観た者にとっては、ちょっとイライラするけど…。

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ミケランジェロ・プロジェクト

第二次大戦下の連合軍が、ナチからの美術品奪還で大活躍する。実話をもとにした原作をジョージ・クルーニーとグラント・ヘスロヴが脚色、クルーニーが監督した痛快ドラマだ。機内で。

冒頭、お約束のスカウトシーンがまず盛り上がる。ハーバード大の美術館館長であるクルーニーが、メトロポリタン美術館キュレーターのマット・デイモンら目が効く専門家を口説いて、異色部隊を編成するあたり、テンポがいい。
彼らが命がけで守ろうとしたのは、文化という名の誇りと尊厳。もちろん大勢の人命の危機を目の前にして、美術品を追う主人公たちには、引っ掛かりを感じる人も多いだろうし、美術品はそもそも誰のものかって議論しだすときりないだろうけど。
豪華男優陣のなかで、ケイト・ブランシェットが抜群の存在感だ。心に傷を抱え、当初はマット・デイモンを信用できずに、冷たくしちゃうパリジェンヌ。でも…という展開。やっぱりこの人は雰囲気があるなあ。
ナチはともかく、当時のソ連がかなり悪者なのは、いかにもハリウッド。いろいろ欠点はあるけど、日本での劇場公開が中止になったのは解せない。シンプルに、面白いと思うんだけどなあ。

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相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ

輿水泰弘脚本、和泉聖治演出の超安定コンビ。甲斐と君の劇場版初登場に、神戸君が付き合う。だけどストーリーがヌルイ感じで物足りなかったかな。機内で。

「SP」以来、どうも元自衛官っていう設定で読めちゃう気がするのが、まず残念。そのうえ伊原剛志というキャスティング。意外感なさ過ぎでしょ。せっかく絶海の孤島というゲームっぽいシチュエーションなのに、バタバタ行ったり来たりしちゃうし。
って、文句先行だけど、安定はしてます。風間トオルが割と普通のオジサンになってたのが発見だったかも。

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善き人のためのソナタ

フローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督・脚本。初の長編監督作でアカデミー外国語映画賞をとった感動作だ。旧東独の監視社会を克明に描いていて、ぞくっと怖くて、ラストはじんとする。いい映画です。

舞台は1984年。国家保安省シュタージの優秀なエージェント(ウルリッヒ・ミューエ)が反体制の疑いがある人気劇作家(セバスチャン・コッホ)を監視するうち、切実なピアノソナタや女優(マルティナ・ゲデック)との温かい同棲生活に魅かれていく。
決して派手ではないのに目が離せない、なんとも息苦しい日常、そして作家が社会の実情を西側へ訴えようとする展開のサスペンス! 特に怖いのは、秘密警察が作家たちの使っているタイプライターの機種を調べ上げていて、文字の形やクセで誰の原稿がたちどころに割り出せるところ。とても優秀で技術があって、とても間違っている。
壁が崩れて何年もたって、作家が失脚した有力者から実は監視されていたと聞かされ、当時の記録の開示を求めに行くシーンもびっくりだ。スキャンダラスな事実もすべて、ちゃんと資料が残っているのだから、ドイツ人ってわからないなあ。

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