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2012年2月

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ジョナサン・サフラン・フォアの原作をエリック・ロスが脚色、スティーブン・ダルドリーが監督。少年オスカーにトーマス・ホーン、その父母にトム・ハンクス、サンドラ・ブロック。劇場で。

名作。9・11で父を亡くした少年オスカーが、遺された謎の鍵にあてはまる鍵穴を求めてNYの街を歩き回り、たくさんの人と出会う。
愛する人を理不尽に奪われた者のやりきれなさ、無力感がいっぱいで、辛い。登場人物はみな、不器用にしか生きられないけれど、なんとか生きていこうともがく。同じようにもがく人に、不器用に手を差し伸べようとする人もたくさんいる。とても切なくて普遍的なテーマを、決して饒舌ではないけれど、丁寧に丁寧に描いていて胸にしみる。号泣です。

とにかく少年トーマス・ホーンが圧巻。アスペルガー症候群の傾向があるという設定で、大きな瞳とほっそりした手足で、優れた知性と行動力、周囲との噛み合わなさ、もどかしさを存分に表現する。
トム・ハンクス、サンドラ・ブロックはもちろん、周囲の大人たちも名演ぞろいだ。間借り人マックス・フォン・シドーが、街角にメモを貼ってオスカーを導いていく姿のチャーミングさ。ちょっと怖そうな祖母ゾーイ・コールドウェルの、そっと買い物袋を置くシーンも素敵。鍵を探索する過程で、オスカーと関わることになる夫婦、ヴィオラ・デイヴィスとジェフリー・ライトの控えめな感じも味わい深い。

結局、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」というものは何なのだろう? いろんな解釈ができるだろうけど、それは肉親であれ他人であれ、生きていくうえで関わる、とても大切な人々、という気がした。父親の落下のイメージに苦しんできたオスカーが、ラストに示す伸び伸びとした飛翔感が、哀しくも素晴らしい。

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ナイト&デイ

ジェームズ・マンゴールド監督、パトリック・オニール脚本、トム・クルーズ、キャメロン・ディアス。録画で。

田舎娘(娘と呼ぶにはとうが立っているけれど)のジューンが、空港でロイという色男とぶつかり、同じ飛行機に搭乗する。ラッキーと思っていたところが、機内でロイが襲われて逆襲、それからとんでもない逃亡劇に巻き込まれる。
徹底的に非現実的で脳天気、あっけらかんとしたB級スパイアクションを、大真面目、かつ抜群のテンポでA流に作り上げた姿勢に大拍手。とにかく主演の2人が、大物の立場も年齢もかなぐり捨て、まさかのアクションと王道ラブコメディを演じきっている。「見ちゃいられない」と思う人ももちろんいるだろうけど、個人的にはそれでこそスター!とおひねり投げたくなっちゃいましたよ。特に終盤、一般人のジューンが主導権をとり始めるあたり、ありえなくて痛快。
物語のカギになる曲がホール&オーツっていうのも、微妙でいいなあ。日本だったらどんな位置づけなんだろう。アルフィーとかかな?

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