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シービスケット

ゲイリー・ロス脚本・監督。大恐慌時代に人気を博した競走馬をめぐる感動のドラマだ。録画で。

けんかっ早い元ボクサーで体が大き過ぎ、おまけに右目が見えない騎手と、富豪だけど息子を亡くして心に傷を負う馬主、そして偏屈な調教師。3人は馬格で劣るも不屈の闘争心を持つ一頭の馬に、勇気づけられていく。「スパイダーマン」のトビー・マグワイア、「トゥルー・グリット」のゲイリー・バーバーとクリス・クーパーという、男優たちの演技合戦が渋い。

セリフが控えめで余白が多く、しかしテンポの良い脚本が秀逸。全編を覆う30年代の雰囲気も洒落ている。緑の芝を駆け抜ける馬たちのスローモーションがスカッとするのはもちろんだが、クライマックスのレースシーンでなぜか、馬主の妻が駐車場の車のボンネットに駆け上がって観戦する、その濃紺の帽子をかぶった姿とか、何気ないシーンがとても美しい。
ピアノとかを効果的に使ったランディ・ニューマンの古風な音楽も好み。正直、びっくりする展開はないんだけれど、気持ちの良い映画です。

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