トゥルー・グリット
ジョエル&イーサン・コーエン脚色・監督。スコット・ルーディン製作。ヘイリー・スタインフェルド。試写で。
スピルバーグも製作総指揮の一人に加わった西部劇。ジョン・ウエイン主演の1969年「勇気ある追跡」のリメイクです。
いや~、理屈抜きに面白かった。お話は開拓時代、14歳の少女が凄腕保安官を雇って、父を殺した無法者を追跡するという、ただそれだけ。この少女マイティ・ロスを演じる新星ヘイリー・スタインフェルドが、実に格好良い。保安官に置いてけぼりを食うまいと、決然と馬で河を泳ぎ渡るシーンでもう、ノックダウンです。先が楽しみな子だわ。
どっちが悪党だかわかんない、飲んだくれ保安官コバーンのジェフ・ブリッジスが、なんともいい味。行動を共にする賞金狙いのラビーフ役、マット・デイモンもさすがの色気です。敵役チェイニーのジョショ・ブローリンは、徹底的に情けなく、親分ネッドのバリー・ペッパーも凄みはあるけど、なんか憎めない。役者は揃った!て感じ。
もう一人の役者は追跡の舞台となる、厳しく殺伐とした西部の荒野でしょう。観ていて冷たい空気が頬にあたるよう。生き抜くために必要なのは馬と銃で、それ以上、格好つけてる余裕なんてありません。
そんなきっぱりと美しい風景のなかを、無法者を追ってただ進んでいく。無茶で乱暴で、なんだか可愛いらしい3人組。目的を達したとしても、栄光も賞賛もないんだよね。そのシンプルさ、ゆったりと余白の多いテンポが心地よいです。
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