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2010年1月

隣人は静かに笑う

マーク・ペリントン監督、アーレン・クルーガー脚本。ジェフ・ブリッジス、ティム・ロビンス。

平和な郊外に住む大学教授が、挙動不審の隣人の素性をさぐるうち恐ろしい事件に巻き込まれていく。

ティム・ロビンズの微笑みに隠された冷静さ、不気味さが秀逸だけど、ありがちなスリラーだと思うと見事に騙されます。
とにかくエンディングが衝撃的。現実の事件とのシンクロを考えれば、これほど後味の悪いストーリーはないでしょうが、「マーシャル・ロー」と並んであえて一見の価値はあるかと。

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マーシャル・ロー

エドワード・ズウィック監督。デンゼル・ワシントン、アネット・ベニング、ブルース・ウイルス。

ニューヨークにテロが発生。その対処を巡るFBI、CIA、軍隊のせめぎ合いと苦悩。

1998年の製作であるにもかかわらず、随所に2001年の同時テロを思わせる描写があって、とにかく怖い。そもそもはオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件から発想されたらしいです。
今となっては事件の背景の描き方とか、いろいろ意見は分かれるのだろうけど、観ておく価値はあるのでは。そういえば、この監督は「ブラッド・ダイヤモンド」も手がけている。タフだなあ。
 

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彼が二度愛したS

マーセル・マンネゲッガー監督。ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー。録画で。

真面目な会計士ジョナサンが、遊び人の弁護士ワイアット・ボースと知り合い、謎の社交クラブに関わったことで罠に陥る。

ヒュー・ジャックマン設立のシード・プロダクションズ第1回作品だそうです。謎の女、Sを演じるミシェル・ウイリアムズがチャーミングで、ジョナサンとの切ない恋の描写や、全体の映像は洒落ているんじゃないでしょうか。ミステリーとしての劇的な感じはいまひとつだけど。

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OUT

平山秀幸監督、鄭義信(チョン・ウィシン)脚本。原田美枝子、倍賞美津子。

桐野夏生のヒット作の映画化。弁当工場のパート主婦4人が、ふとしたことからバラバラ殺人にかかわり、平凡な日常を踏み外していく。

ものすごくネタばれですが、原作小説は衝撃的で、なんというか情念がほとばしるような内容。これを果たして映像にできるのかと、かなり疑問に思っていました。
しかし! 焦点の風呂場シーンで、見事にスイッチが切り替わりました。あえて真実味は追わない。そこから、この映画の面白さが始まるのではないでしょうか。閉塞の日常から外へ、OUTへ。映画版ならではのラストもカタルシスをもたらす。あるようでなかった、「女優映画」の佳作だと思います。
それにしても、大森南朋が出てたんだなあ。

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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

スティーブン・スピルバーグ監督。レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス。録画で。

60年代の実話をもとにした、天才詐欺師フランクと彼を追うFBI捜査官カールの不思議な交流。

おしゃれな追跡劇で、レオ様の華麗な詐欺師ぶりが楽しめます。よくできた筋立ての破綻のなさが、なぜか懐かしい感触。フランクの父、クリストファー・ウォーケンが相変わらずの存在感だなあ。

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39 刑法第三十九条

森田芳光監督。鈴木京香、堤真一。録画で。

ある殺人事件で、容疑者の司法精神鑑定にかかわった研究者が、真実に迫っていく法廷サスペンス。

心神耗弱者の犯罪について考えさせる社会的な内容で、それについてはいろんな議論があると思うけど、エンタテインメントとしての謎解きもよくできてました。
しばしば指摘されることながら、食事のシーンににじむ親子の悩みの深さが印象的。この監督の名人芸でしょうか。俳優陣も頑張ってます。

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スリーピー・ホロウ

ティム・バートン監督。ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ。録画で。

18世紀末のニューヨーク郊外。連続殺人の解明に当たる捜査官と、蘇った恐怖の「首なし騎士」との闘い。

ダークなバートン節が炸裂するホラー・ファンタジー。墓場や失踪する馬車など凝った映像が満載だ。その割に、深みはないように思うけれど、雰囲気は十分楽しめます。クリスティーナ・リッチのぞくっとする感じが印象的。それから相変わらず、ある意味役を選ばないクリストファー・ウォーケンさんね。

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ベイブ/都会へ行く

ジョージ・ミラー監督。マグダ・ズバンスキー、ジェームズ・クロムウェル。録画で。

シリーズ前作で活躍した子豚が、今度はニューヨークで大冒険。

正直、見る前は全然期待してなかったけど、動物タレントとCGなどを駆使した映像美に意表をつかれました~。安ホテルの丸窓から、摩天楼のビル群に見入る豚の後ろ姿。もうノックダウンです。
オーストラリア映画ならではなのか、主人公が「牧羊豚」という設定もユニークだよね。ファミリー映画だけど、ストーリーもそうそうばかにしたものではないと思います。

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ミッドナイト・エクスプレス

アラン・パーカー監督。ブラッド・デイヴィス。ビデオで。

旅行でトルコを訪れた米国人男性が、出来心で手を出した麻薬のせいで投獄され、辛酸をなめる。

70年代という時代背景はあると思うけれど、時代を超えて衝撃を持ち続ける一作ではないでしょうか。ちょっと点数をつけにくいくらい。私にとっては「ミッシング」と並び、2大「外国は怖いぞ映画」……というと不謹慎かもしれないけど、そういうしかないほど怖かった。

でも、これってオリヴァー・ストーン脚本だったんですね。ちょっと意外。

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フェイス/オフ

ジョン・ウー監督。ニコラス・ケイジ、ジョン・トラボルタ。録画で。

いわずとしれたジョン・ウーの出世作。FBI捜査官とテロリストの、ありえない「入れ替わり」を経た死闘を描く。

監督、主演二人の組み合わせは、派手なアクション映画として黄金のトライアングルでしょう。とにかく二人が濃くて濃くて、その存在感がスクリーンからはみ出そう。
さらにスローモーション、銃撃戦を予感させる空を舞う白鳩、メキシカン・スタンドオフなどのお約束もたっぷりです。唖然としているうちに終わっちゃった感じ。

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ペイ・チェック 消された記憶

ジョン・ウー監督。ベン・アフレック、アーロン・エーカット、ユマ・サーマン。試写で。

機密保持のため記憶を消されたフリー・エンジニアのマイケルが、FBIや謎のエージェントに追われ始める。

P・K・ディック原作とはいえ、SFとしての驚きは、いまや乏しいでしょう。それよりも好漢ベン・アフレックの、古風とさえ言える陰謀への巻き込まれぶりが楽しい。そして何と言っても、サービス精神たっぷりのジョン・ウー節。やっぱり敵は、スローモーションで近づいてきます。

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容疑者 室井慎次

君塚良一脚本・監督。柳葉敏郎、田中麗奈、哀川翔。録画で。

「踊る大捜査線」スピンオフ映画の第2弾。被疑者側にたつ弁護士の罠や、警察官僚の権力闘争にあらがい、勇気をもって真実を知り、人を守ろうとする室井警視正の孤独な闘い。

真下版と比べてかなり楽しめたかも。君塚良一恐るべし。
事件は地味だし、謎解きもさほど凝ってないんだけど、映像が格好良かった。照明がやたらに暗い謝罪会見シーンとか、石テーブルにパソコンが並ぶだだっ広い弁護士の事務所とか、正義とはほど遠い嘘くささ。寒風吹きすさぶ新宿は西部劇並みにすさんでるし、大杉漣さんの公安課長が台詞もなく、暗がりでちらっと映るところは怪しさ抜群。教会みたいな捜査本部のクライマックスシーンは、まるで舞台劇。
それと、室井さんと田中麗奈演じる新米弁護士がやりとりする、いくつかのシーンもお洒落だった。広い階段や、やたら時計が多い昔ながらの喫茶店、雪で飛行機が遅れて、思いがけず語り合っちゃうシーン。主役をちゃんとみせるのは大事だよね。

俳優陣は相変わらず豪華。敵役を楽しんでる感じの八嶋智人、吹越満、佐野史郎。一筋縄でいかない筧利夫、真矢みき。品川徹さんの検事総長の貫禄は、さすがにやり過ぎだろって思ったけど。ふふ。

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交渉人 真下正義

本広克行監督、十川誠志脚本。ユースケ・サンタマリア、寺島進、國村隼。録画で。

「踊る大捜査線」のスピンオフ映画。クリスマスイブに勃発した地下鉄テロで、日本初の犯罪交渉人、真下警視が活躍。

イブの東京という非日常感、地下鉄の実験車両「クモ」が秘密の「脇線」を暴走する設定は、大がかりで魅力的。副都心線なんかの使い方も東京大好きな「踊る」らしいよね。ロケ地を探したりするのも楽しそう。出演者はユースケの持ち味を生かした冷静な真下、寺島演じる乱暴な木島係長がみせる。西村雅彦、今井朋彦がひと言もしゃべらないという展開も贅沢だなあ。画面に出てくるだけでにやにやしちゃうけど。

でも、肝心の謎解き、伏線の回収がよくわからなかったのよ。私がおばかなのか。すっきりしなかったなあ。残念。

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