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2009年9月

「ダークナイト」

クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール。録画で。

アメコミ実写版の第6作。前作「ビギンズ」のスタッフが、真面目でダークな雰囲気を引き継ぎ、希代の悪役ジョーカーとの対決を描く。

本人が完成を待たずに亡くなってしまったこともあって、ジョーカーを演じたヒース・レジャーの怪演が評判をとりました。最初、機内で観かけたんだけど、よくストーリーがわからず、録画で見直しちゃった。ダークナイトって暗い夜じゃなくて、闇に生きる騎士だったのね、はは。

確かにジョーカーは問答無用の存在感! 化粧が崩れているのが妙にリアル。そして大迫力の病院爆破シーンで、ちょこまか歩いて出てくるところの、無邪気といっていいほど子供じみた感じが凄い。観る者に、このキャラは絶対救えない、と思わせる。バットマンの徒労感は、深い。  

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バットマン ビギンズ

クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール。録画で。

言わずと知れたアメコミ実写版第5作。富豪の青年、ブルース・ウェインがバットマンとして生きるようになった発端を描く。悪役はなんと「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン。

アメコミだし、アクションだけど、真面目な雰囲気です。バットマンって、少年時代の父親の死のショックとコンプレックスを抱え続ける、案外暗い人だったのねー。もう全編、悩みまくり。
科学を駆使した謎のヒーローというより、普通の人がヒマラヤで厳しい忍者の修行をして、無敵のバットマンに至った、という造形も面白い。都市に有害ガスをばらまくという敵のテロ計画が、なんだか本気で怖いです。

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マグノリア

ポール・トーマス・アンダーソン監督。トム・クルーズ、ジュリアン・ムーア。録画で。

ロサンゼルス郊外の1日に、10人の男女が織りなす人生模様。

人間ドラマですが、何の脈絡もなく、空から無数のカエルが降ってくるという、思い切りのいいクライマックスで有名。小説でも時々、生き物が降るエピソードを見かけます。「海辺のカフカ」とか「麦ふみクーツェ」とか。これはいろいろ解釈があるのだろうと思うんだけど、私は個人的に、人生における何か避けようのない理不尽なこと、を感じるものだから、この映画には妙に納得してしまいました。

悪くないです。まあ、登場人物が多くてストーリーは複雑だし、長いんだけど。

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金融腐食列島 呪縛

原田眞人監督。役所広司。録画で。

バブル崩壊や総会屋事件に揺れる大手金融機関の内幕を描く。
原作を読んでいないので、どのへんがシナリオ独自の工夫なのか正確にはわかりませんが、金融の話を安易にわかりやすくし過ぎない筋運びで、そこに好感を持ちました。抑制がきいているというか、邦画における大人のエンタテインメントの可能性を感じさせる。とはいえ、経済モノで目立つ邦画というと、このあと「ハゲタカ」まであまり無いかな。やっぱり娯楽作にするのは難しいのでしょうか。

そういえば、オダギリ・ジョーの映画初出演作なんですね…

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ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝

ロブ・コーエン監督、ブレンダン・フレイザー、ジェット・リー、ルーク・フォード。録画で。

ブルーダイヤ「シャングリラの眼」を上海の博物館に届ける役目を請け負ったオコーネル夫妻が、またまた巻き込まれる大冒険。

相変わらずのCG満載、まあったく何も考えずに楽しめるスピーディーな活劇。しかも今回は舞台が中国。大好きな大量の兵馬俑軍団が、実際に動いて闘っちゃいます。楽しいなー。しかも悪役の、2000年の時を超えて蘇った古代の皇帝役は、名作「HERO」のジェット・リーですよ。堂々としてます。

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20世紀少年 第1章

堤幸彦監督。唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子。録画で。

浦沢直樹の大ヒットSFの映画化。カルト集団を率いる「ともだち」に対抗し、地球を救うため立ち上がるケンヂと仲間たち。

とりあえず第1章です。原作漫画を読んでないんで、子供時代と世紀末を行ったり来たりするストーリー展開、これでもかという豪華キャスト続々登場にちょっとついて行けない。あれれ、黒木瞳まで出てるよ、おい。

でも、面白かった! やっぱり堤幸彦はテンポがいい。脚本は福田靖だし。荒唐無稽な謎の積み重ねなんだけど、独りよがりにならないで、れっきとした大人であるはずのケンヂの戸惑いとか、それでも心の底に残っている少年っぽさとかが、しっかり響いてくる。ギターを持ち出してT・レックスをかき鳴らすところ、それから、正義の味方を信じるシーンがウルトラマンと重なるところが、すごく格好良くてワクワクさせる。

ケンヂは1959年生まれ、仲間と秘密基地を作ったのが小4の1969年、事件が動き出すのが38歳となった1997年。人々が科学や未来を信じていた時代と、山一破綻など金融危機で自信喪失に陥る「現代」との対比が鮮やかだ。

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