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2009年7月

「ジャンパー」

ダグ・リーマン監督、ヘイデン・クリステンセン。録画で。

スティーブン・グールド原作のSF。高校生のある日、自分がもつ瞬間空間異動の能力に目覚めたデヴィッドの冒険。

けっこうB級なんですよ。特殊な能力を持ったジャンパーの苦悩とか、家族との葛藤、そもそもその能力がどういう意味や影響をもつのか、といったことはほとんど掘り下げられていなくて、とにかく登場人物が世界各地を瞬間的にびゅんびゅん飛びまくる。でも、そのスピード感が爽快!
CGが多用されているんだろうけど、ロケも豊富。日本も出てきて面白い。銀座と渋谷の風景がまざっているのが不思議だけどね。滅茶苦茶な強権を発動してジャンパーを追いつめる敵役、サミュエル・L・ジャクソンがさすがの存在感。ちらっと出てくるダイアン・レインが懐かしい!

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ライフ・イズ・ビューティフル

ロベルト・ベニーニ脚本・監督・主演。録画で。

北イタリアで平和に暮らすユダヤ人系の一家。そこにナチスドイツの影が迫る。

秀作だなあ。「笑うということ」に込められた、人間としての自尊心が鮮烈です。
前半で主人公の純な人物像をコミカルにじっくり描いているのが、効果的ですね。これがあるから、後半の極限状態とも言える収容所体験で、家族のために空想の力で「美しい人生」を築いていくくだりに納得できる。幕切れは、何とも切ない…

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マイノリティ・リポート

スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートン。劇場で。

P・K・ディック原作のSF。犯罪予知システムによって刑事ジョンは追われるはめになり…。

街を歩いていると、個人の嗜好に合った広告が次々表示されるといった、「今そこにある未来」のアイデアが満載。公開当時、生体認証とか個人情報管理といったテーマを論じるとき、頻繁に引用される重要な映画となる気がした。
エンタテインメントとしては、ちょっとイメージを詰め込みすぎで、消化不良かも…。トム・クルーズの張り切りぶりと、コリン・ファレルの若々しさが印象的。

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私の中のあなた

ニック・カサヴェテス監督。キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン。試写で。

病に冒された姉の、ドナーになるべく生まれてきたアナ。その11歳の決断とは。

とにかく全編涙、涙の佳作です。でも、決してあざとくはない。大事な人を失うということ、大事な人を残していくということ、そして一人ひとりがそれをどう受け止めるかということを、優しく丁寧に描いていく。一つのシーンではあまり長々と説明しないで、過去と現在を行ったり来たりしながら、短いシーンを積み重ねているのが効果的なのかな。

光の演出が美しい。家族が庭でたくさんのシャボン玉を飛ばしているシーンや、曲折を経て海辺を訪れるシーン。情景の美しさが、人生の悲しさ切なさを際立たせるというか。
驚きのノーメイクで、あきらめない母親を熱演するキャメロン・ディアス、目の表情がとても雄弁な天才子役アビゲイルはもちろん、脇役もみな自然な演技で引き込まれた。だけど、アレック・ボールドウィンってあんなに太ってましたっけ。

『私の中のあなた』 Texの独断フィルムレビュー&More
『わたしのなかのあなた』深い感動を呼び起こす家族物語の傑作。(ジョディ・ピコー) 朝から晩まで本を読んでいたい

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蒲田行進曲

深作欣二監督。風間杜夫、平田満、松坂慶子。劇場で。

つかこうへいの戯曲を映画化。「新撰組」制作中の京都の撮影所で繰り広げられる人間模様。

名作。もとの舞台は観ていない私ですが、映画としてのカタルシスを十分、楽しみました。つかこうへい独特の、我が儘な銀ちゃんとヤスとの屈折した人間関係や、クライマックスの有名な階段落ち。それだけでなく、ド派手な里帰りのシーンとか、お掃除しているだけで色っぽい松坂慶子さんとかも鮮烈です。

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ミュージック・フロム・アナザー・ルーム

チャーリー・ピータース監督。ジュード・ロウ。録画で。

幼い頃に運命の人と感じた女性と偶然再会したダニー。その一途な恋。
ラブストーリーなんだけど、周辺の人物たちのいろんなエピソードが詰め込まれていて、そのどれもが中途半端な感じ。しかし、そういう整理されていないエピソードの積み重ねが、現実の暮らしかもしれないと感じさせる、不思議な自然さがある。
ジュード・ロウの率直さと合わせて、印象に残る一作。

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