今宵、フィッツジェラルド劇場で
ロバート・アルトマン監督。メリル・ストリープ、ケヴィン・クライン、ギャリソン・キーラー。録画で。
ラジオ局が買収され、打ち切りとなるカントリーミュージック番組の最後の公開生放送をめぐる群像劇。
巨匠アルトマンの遺作。実在のラジオ番組を舞台に、番組中のキャラクターを登場させたりした凝った作りだ。ラジオ局を買収する企業の重役の文化に対する無理解ぶりなど、皮肉も散りばめられているけれど、全体にコミカルで、肩に力が入っていないのが心地いい。
全編をカントリーミュージックが彩る。日本で言えば演歌みたいなものでしょうか。古くさくて野暮ったくて、でも変わらない温かさみたいなものが鳴り響く。思わずメリル・ストリープと一緒にハミングしちゃいますね。
謎の白いトレンチの女や、企業重役が登場するシーンの、深い陰影も目を引きつける。死からは誰も逃れられないように、移ろいゆく時代は止められない。でも、ひとりぼっちではないのだから、笑ってたくましく生きるのだ。
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