「もののけ姫」
宮崎駿脚本・監督。松田洋治、石田ゆり子。録画で。
室町末期、たたら製鉄集団と森の獣、そして獣として生きる少女シンとの闘い。
アニメの可能性を見せつけられる一本。憎しみに絡め取られるイメージなどが凄烈で、画面に得体の知れない情熱があふれ、深刻で残酷な話だけれど、思わず見とれてしまう。
深い照葉樹林を舞台にしていることから、公開当時、テーマは環境破壊だと言われていたようだ。しかし、2001年の9・11を経た今では、むしろ異質なものとの軋轢や、憎しみと死の連鎖の重さ、愚かさ、拒絶された者の痛みを掘り下げているように思える。こういうふうに時代の流れに耐えてイメージを増幅させる強さ、普遍性こそが、ファンタジーの醍醐味なのだろうと、改めて思う。
関係ないけど、たたら製鉄の連想から、「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹著)を読んでいるとき、もののけ姫のイメージ、スピード感みたいなものが浮かんで面白かったなあ。
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