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2008年10月

「秒速5センチメートル」

新海誠脚本・監督のアニメ。渋谷シネマライズで鑑賞。

いやー、聞いてはいたけれど、光や雪、花びらとかの表現が、なんとも繊細で驚き。実写にはできないアニメの表現だと思う。リアルを超えて五感を刺激する不思議さ。

それから、ちょっと断片的にみえるエピソードが、ひりひりするようだ。恋人に会おうとして乗った列車が、遅れに遅れる切なさ、じれったさ。それからロケットの打ち上げで、いいようのない勇気を得る感じ。

主題歌になっている、山崎まさよしの名曲「One more time,One more chance」の曲調が、画面のイメージとぴったり。人物の表現と声優が、いかにもアニメ、なのが個人的にはちょっと残念だけれど。

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「タイムライン」

リチャード・ドナー監督。ジェラルド・バトラー、ポール・ウォーカー。録画で鑑賞。

マイケル・クライトン原作の、考古学者を主人公にしたタイムトラベルもの。序盤のテンポが良い。中世の投石機などを使った大戦闘シーンも楽しめる。

だけど、中盤の追いかけっことか、ロマンスの伏線はさほど意外感がなかったかな。時間旅行をめぐる冒険映画としては、やはり永遠の名作「バック・トゥ・ザ・ フューチャー」の印象を超えるのは難しいんだろうなあ。

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「ボウリング・フォー・コロンバイン」

マイケル・ムーア監督。録画で。

1999年の高校銃乱射事件をテーマに、数々の賞をものにしたノンフィクション。実は監督のパフォーマンスがあまりに有名なので、かなり先入観を持っていた。実際には、単なる銃社会の告発というよりも、差別と恐怖をあおる米国の経済構造を批判していて、見応えがあった。米国以上に銃が普及しているカナダとの銃犯罪の比較などは、へえと思った。

とはいえ、やはり畳みかけるような編集などには、過剰な意図を読み取ってしまう。エンタテインメントとしての、当たり前の技術だという人もいるかもしれないけど。被害者の写真をインタビュー相手の家においてくるラス トの演出にも、かなり抵抗を感じたな。

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「ユージュアル・サスペクツ」

ブライアン・シンガー監督。ガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシー。旅先でDVDで。

殺人事件の謎の黒幕「カイザー・ソゼ」をめぐるスタイリッシュなサスペンス。
有名だけど、とにかくラスト。あっと驚き、すぐさま供述前の場面を見直してしまった。「えー、これってありー?」って感想もひっくるめて、すごく良くできている。この一瞬の驚きのために作りこんだ映画、というか。マニアがいるのもわかります。
ケヴィン・スペイシーのカメレオン俳優ぶりが見事っす。映画史に残るスローモーションかな。

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「蟻の兵隊」

池谷薫監督。日本軍山西省残留問題の真相を解明しようとする 帰還兵、奥村和一さんを追ったドキュメンタリー。劇場で。

初公開からだいぶ時間が経って、小さい劇場に観に行ったが、グループで来ている人が結構いた。
妥協を知らない80歳の奥村さんの情熱には、正直、ちょっと辟易。けれども、戦時中の中国での所業を妻に隠していると 告白する奥村さんに、かつて日本軍にひどい目にあった女性が「大丈夫、今は悪い人には見えない」と諭すシーンが、強い印象を残す。

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サッドヴァケイション

青山真治監督。浅野忠信、オダギリジョー、辻香織里。試写。

オール北九州ロケ。実は、話がつながっている前2作を観ていないので、今ひとつ人間関係が飲み込めなかったものの、案外楽しんだ。暴力的で 破滅に向かうストーリーなんだけど、乾いたユーモアがあるからかな。特に、浅野忠信の憎めない屈折。

俳優陣が若手を含めてなかなか豪華じゃないでしょうか。宮崎あおいとか、高良健吾とか。とにかくタフな石田えり、板谷由夏に脱帽。存在感があります。光石研、斉藤陽一郎も軽妙でよかった。

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「ミュンヘン」

スピルバーグ監督。エリック・バナ。旅先でDVDで鑑賞。

ミュンヘン五輪のテロ後、イスラエル諜報特務局による報復。
重くて残酷な内容だけど、緊張感があって、引き込まれて観てしまった。内容が内容だけに、様々な異論はあるようだが、ひとつ伝わってきたのは、憎しみが憎しみを生むテロの虚しさ。
ラストシーンの遠景に、世界貿易センターがCGで映しこまれている。「シンドラーのリスト」でアカデミー賞を手にした監督が、いかにも異論が巻き起こりそうな本作をあえて手がけたのは、よほどの覚悟だったんだろうなあ。

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「ヒトラー/最後の12日間」

オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督。ブルーノ・ガンツ。録画で。

秘書の証言によるドイツ語圏制作の実録映画を、先輩の薦めで観る。

人間的なヒトラーの描き方や、その他の様々なエピソードで賛否両論を呼 んだというが、善悪を超え、独裁と狂気の虚しさを淡々と描いて印象的だ。題材が題材だけに、批判も覚悟のうえで、あえて制作した姿勢のようなものが伝わってくる。

地下要塞で繰り返される食事のシーンが妙にリアル。そして脱出後、少年とこぐ自転車が夢のような開放感に満ちているだけに、ラストの脇役たちのその後と主人公の証言が重みを持つ。

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「ショコラ」

スエーデン出身の名匠ラッセ・ハルストレム監督。ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ。録画で。

南米の秘薬であるチョコレートが、暴力への恐れや親に対する反発、使命感と見栄などに凝り固まった 人の心を、軟らかく溶かしていく大人のファンタジー。

閉鎖的なフランスの村を描く色調が、深みがあって美しい。ヒロインのジュリエット・ビノシュは、決して美人ではないのに雰囲気がある。そして寡黙な ジョニー・デップが、相変わらずとても魅力的だ。不器用で、危うい雰囲気を漂わす流浪の民という、ぴったりの役柄。この人が登場するだけで、シーンに色気が出ると思うのは私だけか。

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「パッチギ!」

井筒和幸監督。塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ。録画で鑑賞。

京都の高校生と在日コンリアン少女との恋。

全編喧嘩シーンが多く、劇画のように暴力的でちょっと閉口したけど、「あの素晴らしい愛をもう一度」など加藤和彦の音楽が効いている。特に「イムジン河」をラジオで歌うシーンは、切なくていい。日本のフォークの歴史を感じます。
若手の俳優陣がみな新鮮ですね。真木よう子も出ているとは。

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「笑の大学」

星譲監督。原作・脚本は三谷幸喜。録画で鑑賞。

昭和15年。喜劇から笑いを排除しようとする堅物の検閲官・向坂と、無茶苦茶な検閲に必至で抵抗する、劇団「笑の大学」座付き作家・椿一の攻防。録画していた舞台(96年?)と続けて観た。二人芝居の舞台版は、やっぱり西村和彦が、色気があってうまい。

映画のほうは、向坂が役所広司で、生真面目さが先に立つ感じ。個人的には、椿一の稲垣吾郎が案外はまり役だと思った。なんとかギャグをもぐり込ませようと努力をする姿から、ばかばかしい必死さが伝わってくる。けっこうコメディセンスがあるんじゃないかな。
喜劇作家・菊谷栄をモデルにしたという脚本は、普通の人の精神の解放をテーマにした、タフなもの。いい映画です。

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「それでもボクはやってない」

周防正行監督・脚本。加瀬亮。録画で鑑賞。

痴漢冤罪事件をテーマにした話題作。司法への疑問という、難しくて地味なテーマをまじめに描いている。一市民がある日突然捕まったら、どういうことが起きるのか。しかも、エンタテインメントとしての完成度が高い。主人公は社会的に、また人物としてもなんだか力のなさそうな一フリーター。その彼を助けようと、弁護士や友人が協力して再現実験をするあたりの盛り上がり、センスが光るなー。

評判の加瀬亮が、うまい。ごくごく普通で、余計なオーラがないというか。役所広司に続く、貴重なキャラといえそう。

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HERO

鈴木雅之監督、福田靖脚本。木村拓哉、松たか子。DVDレンタルで。

型破り検事が活躍する高視聴率ドラマの劇場版。おなじみ久利生のありえない正義感が健在で、その正義感に巻き込まれちゃう検事仲間も健在で、ミステリー要素もあり、楽しく観ました。まあ、韓国への展開は、微妙だったけど。

06年のスペシャルドラマでは、中井貴一の圧巻の演技が記憶に新しい。今回は大物弁護士役のパパ松本幸四郎。法廷シーンは、さすが安定感がありますね。香川照之の配役も贅沢。しかし、これだけ盛り上げておいて、最大の敵役が森田一義というのはどうなのか。意外性はあるが、悪人っぽく無さ過ぎでは。

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「ジュノ」

ジェイソン・ライトマン監督。エレン・ペイジ。試写会で。

これは秀作じゃないでしょうか。十代の予期せぬ妊娠がテーマなんだけど、全くお説教臭くない。ユーモアがあってクールで、登場人物がみな、なんとか自分に誠実に生きていこうと、もがいている感じ。
特に主人公のジュノが、まあ愚かなんだろうけど、たくましくて悪くない。エレン・ペイン、達者です。大きなお腹を抱えて里親を探しに行くとか、邦画じゃちょっと考えられないよね。観る人の立場によっては、非常に反発を招く展開だろうけど…

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「ラストゲーム最後の早慶戦」

神山征二郎監督。渡辺大、柄本佑の二世俳優競演。試写で。

戦時中の1943年10月に行われた早慶戦をめぐる人間模様。柄本明の情熱とか、富司純子の親心とか、ベテランの演技に少しほろっときた。試合のシーンはあまりしつこくない。柄本佑が親譲りというか、個性的でうまかった。まだ22、3歳だよねー。

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「相棒・劇場版-絶体絶命42.195キロ」

和泉聖治監督、戸田山雅司脚本。水谷豊、寺脇康文。シネコンで。

切れ者で変人の右京と、直情型の薫という「特命係」コンビが活躍する、人気刑事ドラマの映画版。

相変わらずテーマは社会派というか、結構重い。紛争地帯での邦人人質事件だもんなあ。単純に善悪を設定しないのは、このシリーズの持ち味で、大人向きといわれるゆえんですね。

サスペンスとしては連続殺人、「処刑サイト」、闇に葬られた外交文書と、エピソードてんこ盛り。応援に行ったことがある東京マラソンが、映画らしく大がかりに再現されて、重要な舞台になっていたのは嬉しかった。チェスとマラソンコースの地図とのつながりとかは、ちょっとひねり過ぎの気がしたけど。

ドラマのファンなので、脇役に至るまでキャラクターの個性が頭に入っている。個人的には、大好きな「片山雛子」が登場して満足ですよ。木村佳乃の独特のもったいぶった口調、存在感あるなあ。柏原崇も熱演。主人公二人の複雑な関係に、もうちょっと踏み込むかな、と思ったけど、そのへんは割合あっさりしてましたね。またドラマを観るのが楽しみ。

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「スターリングラード」

ジャン=ジャック・アノー監督。ジュード・ロウ。録画で。

1942年のスターリングラード(現ボルゴグラード)独ソ攻防戦。実在した狙撃兵ザイツェフとケーニッヒ大佐との対決を描く。

冒頭から、戦闘シーンがとにかく凄まじい。描き方が辛辣すぎるという指摘もあるようだが、戦争の理不尽さが問答無用で胸に迫る。一方で、狙撃一騎打ちの緊迫と、一抹の希望を感じさせるエンディングが、エンタテインメントとしても秀逸だ。やっぱりジュード・ロウが素敵。

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「容疑者Xの献身」

西谷弘監督、福田靖脚本。福山雅治、堤真一、柴崎コウ。劇場で。

連休の映画館で、なかなかの人気。もともとドラマになった連作とは全くカラーが違う東野圭吾の直木賞受賞作を、わりと忠実に描いてるんじゃないかな。個人的に登山シーンはちょっとだれたけど、ミステリーとして映像の伏線も効いてるし、全体に誠実な感じ。

堤真一が出色ですね。今年は「クライマーズ・ハイ」も観たけど、今回の不遇の天才、石神の冴え無さ加減には、凄みがある。ずっと猫背だし、目に光もないし。妙にすっきりした福山雅治と対比するから、余計に孤独な存在感が光る。
その石神が、殺伐とした留置場の天井を眺めながら4色問題を考えるシーンの、幸福そうな表情ったら。それから日曜の午後に、アパートの隣室から聞こえる母娘の明るい声に、温かい気持ちになるところも切なくて、泣けましたー。恐るべし堤。

単なる想像だけど、映画の構想が先で、助走としてドラマがあったくらいの印象。だとしたら贅沢だなあ。映画の公開に合わせた単発ドラマも、丁寧に作っていたし。

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「おくりびと」

滝田洋二郎監督、小山薫堂脚本。本木雅弘、広末涼子、山崎努。映画館(丸の内ピカデリー)で鑑賞。

失業した元チェリストの青年が、郷里・酒田で新米「納棺師」となり、様々な家族の別れに遭遇する。

最初のほうの、ニューハーフのエピソードからもう涙。お別れの話だから、否応なしです。ユーモアをまじえて深刻にならず、いろいろ考えずに気持ちよく泣ける。そういう意味ではデトックスめいています。
本木くんが綺麗だね。川岸でのびやかにチェロを弾くシーンとか、エンディングに長回しで流れる納棺の所作とか、さすが。それからレトロなロケ地も魅力的。登場する建物の外観は、だいたい酒田近辺に実在するとか。背景に小さく聞こえる川の音や、近所の犬の鳴き声なんかも、懐かしい感じがした。

人は誰でも、いずれ別れるもの。企画協力でクレジットされている小口健二フロム・ファーストプロダクション社長と、父親役の峰岸徹さんが亡くなったことが、ちょっと感慨深いなー。

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「ブラッド・ダイヤモンド」

エドワード・ズウィック監督。レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネりー。録画で。

90年代のシエラレオネ内戦をめぐる社会的なテーマを、わかりやすく描いた秀作。
少年兵まで巻き込んだ深刻な内戦と、その対立から利益を得ようとする勢力。「紛争ダイヤ」について知識がなかったが、善悪を簡単には論じられない、大きな不幸について考えさせられた。
迫力の銃撃シーン、人間ドラマも満載。熱いアフリカの大地に根を下ろしていくのかどうか。ディカプリオはいつの間にか、いい歳の取り方をしているじゃないの。ところでジェニファー・コネリーって、ショーン・コネリーとは関係なかったのね。

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「崖の上のポニョ」

宮崎駿監督。声優は奈良柚莉愛、土井洋輝、山口智子。劇場で。

さかなの子ポニョと5歳の宗介との恋。

夏休み初めのシネコンで鑑賞。ちょうどポケモン、アンパンマンも上映中で、すごい混雑でした。
話が結構複雑で、起承転結がはっきりしないといわれているらしい。確かにまとまっていない感じはあるけど、身近なファンタジーとして大いに楽しんだ。なんといっても、恐ろしい津波の上をひた走るポニョの姿が強烈。CGを廃し手描きにこだわったという画面は迫力満点。子供たちも大喜びだ! 少年もすごく健気だし。
大洪水に、庶民が淡々とたくましく対処するシーンが印象的。命をつなぐという大きな物語が感じられた。

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「バタフライ・エフェクト」

エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー監督。主演はデミ・ムーアの年下の夫、アシュトン・カッチャー。録画で「ディレクターズ・カット版」を観る。

日記を読んで過去に戻る能力を身につけた青年が経験する、最悪な出来事。

タイトルはカオス理論で、初期設定の誤りが大きな違いにつながるという意味だとか。前半は、あどけない子供がナイフを手にしているといった、観るものにショックを与える場面が多い。頻発する記憶喪失の謎も気になって、引きつけられた。
しかし後半は悲惨。どうしてこれほど情け容赦ない展開なのかと、暗い気分になったほど。主人公は繰り返し過去に戻って、喪失部分に起きていたことを知る。それはたいてい、忘れたいような出来事。そして母や恋人、友達を救おうとして、過去を修正すればするほど、状況は悪くなってしまう。あんまりじゃないの。結局、取り返しがつかないのが、人生ってもんなのか。
劇場公開版はどんなラストだったのかな。ディレクターズカット版は、伏線が生きているらしいが。

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「ムーラン・ルージュ」

バズ・ラーマン監督。ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー。録画で。

世紀末のキャバレー「ムーラン・ルージュ」を舞台にした、踊り子と作家のラブストーリー。
とにかく画面いっぱいに、キッチュできらびやかな美術、意表をつくCGがあふれ、目が回りそうなミュージカル。特にパリの街の、煙ったような眺望が美しい。作り手が細部に凝っているうちに、どんどんエスカレートしちゃったみたいで、楽しいです。ちょっと疲れるけどね。
主演二人の歌がうまくてびっくり。やっぱりエルトン・ジョンは抜群にロマンチックだ!

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「蝉しぐれ」

黒土三男監督。市川染五郎、木村佳乃、緒形拳。録画で。

藤沢周平原作の時代劇。お家騒動に巻き込まれた少年の成長と恋。
里山の風景など、懐かしいような映像が美しい。物語は静かに静かに流れていくのだけれど、なぜか目が離せない感じ。文四郎が父をのせた大八車を引き、それをふくが押していくシーンは、ものすごく切なくて、泣けた。演出は控えめなのになあ。
それにしても、染五郎はお父さんそっくりじゃないの。端正な映画です。

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「ヘアスプレー」

アダム・シャンクマン監督。ニッキー・ブロンスキー。録画で。

62年のボルチモア。おでぶで天真爛漫な少女トレイシーが、地元テレビのダンス番組で人気者になり、周囲を幸せにするコミカルなミュージカル。
難しいことは抜き。とにかくハッピーで前向きです。特に特殊メイクをこらし、巨漢のママを演じるジョン・トラボルタと、気弱なパパのクリストファー・ウォーケンという、ものすごく濃い組み合わせのデュエットには悶絶。スレンダーで、ピンナップから抜け出たように綺麗な敵役ミシェル・ファイファーのダンスも見られる。皆芸達者で、作り物を楽しんでいる感じが爽快だ。
全編にドゥワップ、R&Bが流れ、「シカゴ」のママ・モートン役だったクイーン・ラティファが気持ちよく歌い上げます。

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「クライマーズ・ハイ」

「呪縛」の原田真人監督。堤真一、堺雅人。劇場で。

日航機墜落事故直後1週間の、地元紙記者の葛藤を描く。横山秀夫原作。

仕事や家族に対して、あるいは自分に対して「誠実」であるという ことはどういうことか、を描いていると思う。原作の小説を読んだときにも同様の印象を受けたのだが、全体に何が善で何が悪か、といったメッセージは、さほどすっきりしていない。なにしろ現実に起きた未曾有の事故を舞台にしているのだから、そう簡単に整理できるものではないだろう。その整理しきれていない感じに切実さがあり、好感を持った。
当時は携帯がないから、現場で電話を探す苦労が一つの山場。その伏線として、堺雅人が登場時にじゃらじゃら小銭を持ち歩いている様子がリアルだ。遠藤憲一、堀部圭亮、マギーなども格好いい。

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