レインメーカー

ジョン・グリシャムのヒット作を巨匠フランシス・フォード・コッポラが監督。弁護士稼業の裏をシニカルに描いた秀作だ。録画で。

当時27歳のマット・デイモンが、迷いながら成長していく駆け出し弁護士ルーディを好演。瀕死の白血病の青年と母(メアリー・ケイ・プレイス)の依頼に応え、保険金不払いであくどい保険会社を訴える。

庭の廃車にこもっちゃってる青年の父や、支払いマニュアルを暴露する元査定係ジャッキー(ヴァージニア・マドセン)ら、ルーディ陣営の脇役が秀逸だ。存在が真に迫っていて、物語のテーマを際立たせる。貧しい社会的弱者たちに、法は何をもたらすのか?
もちろん単純な善人というわけではなくて、無資格なのに駆け引きに通じた食えない相棒デックは、お馴染みダニー・デヴィートがさすがの曲者ぶり。こともあおうに脱税で行方をくらましちゃう元ボス弁のミッキー・ロークも、出番は少ないのに存在感たっぷりだ。

ルーディはDV被害者(クレア・デインズが儚く)を救い、保険金裁判でも辣腕弁護士(ジョン・ヴォイト、アンジェリーナ・ジョリーのお父さんですね)やCEO(ベテランのロイ・シャイダー)らを打ち負かす大活躍。ところが結局、得るものはなく、法廷を去る決意をする。シンプルなハッピーエンドじゃないからこそ、胸に残るドラマです。

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「もののけ姫」

宮崎駿脚本・監督。松田洋治、石田ゆり子。録画で。

室町末期、たたら製鉄集団と森の獣、そして獣として生きる少女シンとの闘い。

アニメの可能性を見せつけられる一本。憎しみに絡め取られるイメージなどが凄烈で、画面に得体の知れない情熱があふれ、深刻で残酷な話だけれど、思わず見とれてしまう。

深い照葉樹林を舞台にしていることから、公開当時、テーマは環境破壊だと言われていたようだ。しかし、2001年の9・11を経た今では、むしろ異質なものとの軋轢や、憎しみと死の連鎖の重さ、愚かさ、拒絶された者の痛みを掘り下げているように思える。こういうふうに時代の流れに耐えてイメージを増幅させる強さ、普遍性こそが、ファンタジーの醍醐味なのだろうと、改めて思う。

関係ないけど、たたら製鉄の連想から、「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹著)を読んでいるとき、もののけ姫のイメージ、スピード感みたいなものが浮かんで面白かったなあ。

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