翔んで埼玉

2019年の話題作を録画で。1982-83年の魔夜峰央の原作を、「のだめ」「テルマエ・ロマエ」の武内英樹が実写化。
古臭くバカバカしい埼玉ネタを、全力で作ったところが凄い。埼玉対千葉の大仰な関ヶ原シーン(出身著名人合戦)など、爆笑。
主演は二階堂ふみ、GACKT。伊勢谷友介、京本政樹、麿赤兒らが楽しそうに怪演し、サブストーリーの現代パートも麻生久美子、島崎遥香、成田凌と豪華です。

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アリー/スター誕生

主題歌の大ヒットが懐かしい、1976年バーブラ・ストライサンド主演「スター誕生」の、また37年の元ネタからは3度目のリメーク。主演レディー・ガガ様の、切なくもパワフルな歌唱力を楽しむ。機内で。
片田舎のウエイトレス・アリー(ガガ)が、カントリーロックの大物ジャクソン(監督でもあるブラッドリー・クーパー)に見いだされ、結婚すると同時に、ポップスターの階段を上がっていく。痛快だし、ライブシーンなどにガガの才能と温かみが溢れて、説得力がある。
一方、ジャクソンはアリーと出会う前からアル中という設定。支えていた兄とも決裂しちゃって、泥沼にはまっていく。痛々しいものの、ダメな感じは色っぽいな。
音楽プロデュースはルーカス・ネルソン。ダイアン・ウォーレンらが曲を提供してるようです。

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七つの会議

池井戸潤の日経電子版での連載を、おなじみ福澤克雄が映画化。謎解きはしっかりしてるし、豪華キャストなんだけど、主役・八角が野村萬斎で、いくらクセモノの設定とはいえ、とても一般人には見えず残念。サラリーマンの戦場=会議、不作為の罪、といったテーマも、わかりにくかったかな。機内で。
中堅電機メーカーで、何故か生き残っているグウタラ社員をめぐる騒動から、ネジをめぐる不祥事が浮かび上がっていく。裏のある部長の香川照之がさすがに上手く、開き直ってドーナツ販売を始める朝倉あきがカワイイ。できる男から一転して弱気になっちゃう片岡愛之助、平凡だけど芯がある及川光博もよかった。

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キングダム

人気漫画の実写映画化を機内で。バトルシーンが売り物で、ゲームっぽいものの、どでかい中国の統一という野望を本気で目指す若者たちのスケール感が心地いい。「GANTZ」とかの佐藤信介監督。
時は乱世の中国春秋時代。大将軍を夢見る下僕の信(山﨑賢人)が、後に始皇帝となる嬴政(えいせい、吉沢亮がクールに)に仕え、王位奪還のため戦う。
山崎の直情ぶりはいかにも漫画なんだけど、持ち前の爽やかな目ヂカラでひきつけちゃう。アクションも格好いい。山民族王・楊端和の長澤まさみが痛快で、秦の6大将軍の1人、王騎の大沢たかおがなかなかの怪演だ。敵役の弟・成蟜(せいきょう)は曲者・本郷奏多、壮絶なバトルを演じる左慈には坂口拓。

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グレイテスト・ショーマン

大物ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル。19世紀の伝説のサーカス興行師P・Tバーナムの半生が題材とあって、いかがわしさ満載。今の時代に合ってるのか合ってないのか微妙だけど、フリークたちの爆発力は爽快だ。機内で。
「ラ・ラ・ランド」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した楽曲は、期待通りキャッチー。CM出身、初メガホンのマイケル・グレーシー監督が、酒場などレトロなセットで、精緻かつキレキレのダンスシーンを繰り広げる。空中ブランコの浮遊感が効果的です。
バーナムって何故か占いをあたってる、と思っちゃう「バーナム効果」の語源となった人なんですね。短く言うと山師。でも、ジャックマン君なら許せちゃうんだなあ。

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年アカデミー賞作品賞の話題作を、機内で。評判通りすっごく面白かった~ 長回しにしか見えない驚異的な編集力で、妄想シーンを含めドキュメンタリーのような味わいだ。メキシコ出身の曲者アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の才気が光る。
まずブロードウェーの舞台に渦巻くエゴが重層的。欠点だらけで愛らしい俳優たち、次々起こるトラブルに振り回されるプロデューサー、鼻持ちならない女性ベテラン評論家、無責任な大衆。
さらに舞台という芸術への尊敬や、夫婦、親子の不器用な愛情、SNSの怖さなどがからまる。題材となる舞台作品が、気取ったレイモンド・カーヴァー原作というのも面白い。
ユーモアもあって、追い詰められたリーガンがなんと下着姿で、懐かしいブロードウェーの人混みを歩くシーンは爆笑。そして妄想のバードマンと朝のNYを飛翔するシーンの爽快感は、映画的感興に満ちる。
落ち目のヒーローもの俳優リーガン役、「バットマン」のマイケル・キートンがまずいい味。薬物依存を克服しようと付き人をつとめる娘サム役、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンが、繊細で素晴らしい。才能があるが問題児マイクにエドワード・ノートン、マイクの恋人レズリーにナオミ・ワッツ、リーガンの元妻にエイミー・ライアンと、安定感がある。

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ONCE ダブリンの街角で

アイルランド旅行から戻った復習編は、ジョン・カーニー脚本・監督の音楽映画。映画を元にしたミュージカルを来日で観たことがあるけど、改めて切ない楽曲が染みる佳作です。録画で。
お話はシンプルな大人のラブストーリー。30代のストリート・ミュージシャン(グレン・ハンサード)が、チェコ移民の花売り女(マルケタ・イルグロヴァ)と出会って勇気を得、デモテープを作る。不器用に恋心を寄せるものの、マルケタは離れていた夫を選択。グレンは思いを残しつつ、夢を追ってロンドンに旅立つ。
制作費15万ドル、街頭では許可なく望遠レンズを多用したという映像はドキュメンタリータッチ。主演2人が作って歌う手作り感も好ましい。グレンのアパートで撮影したというパーティーシーンの歌の素朴さ、レコーディング後にエンジニアが「カーステ・テストだ」と言い出して、海岸へドライブするシーンの解放感も印象的。グレンを送り出す、修理工の老父が泣かせます。

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麦の穂を揺らす風

アイルランド予習シリーズの最後は、とびきり重い1作となりました。ケン・ローチ監督がアイルランド独立戦争と内戦の過酷さを、ドキュメンタリータッチで容赦なく描き、カンヌでパルム・ドールを受賞。
ロンドンで医師になるはずだったデミアンは、イギリス軍の暴力に耐えかね、IRAのゲリラ戦に身を投じる。恋人の弟の死、兄テディが受ける目を背けたくなる拷問… そして幼馴染の処刑で自ら手を下したことが、決定打となって一線を超えてしまう。
心を失っていくキリアン・マーフィーの、虚ろな目が凄まじい。独立戦争よりもその後の内戦のほうが、犠牲者が多いと言われる悲劇を、兄弟の対立という究極のかたちで突きつける。
女性運動家らとの論争や、神父とのやりとりのシーンなどに、植民地政策がもたらす負の遺産、問題の複雑さがずっしり。できるだけ多くの人に観てほしいかも。

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クローズEXPLODE

少年漫画原作のシリーズ第3作を録画で。授業は一切やってない廃墟のような高校で、暴れ馬だの狂犬だの、異形の不良同士が全編ただ訳もなく殴り合う。ぐちゃぐちゃなんだけど、喧嘩はしても暴力団にはなるなと、一線をひいてるのが面白い。
ゴミ処理場とかの戦闘シーンを観る映画なのかな。そのへんの評価はわかりません。監督は豊田利晃。
素顔がわからないようなキャラもいるものの、若手俳優の振り切れた造形に着目。なにしろ主演がクール東出昌大、同じ高校のライバルが早乙女太一、柿澤勇人、曲者・遠藤雄弥、別の高校の抗争相手が岩田剛典、切ない永山絢斗と揃えてます。中でもやっぱり、勝地涼と柳楽優弥の存在感が突出してたな。

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静かなる男

超私的アイルランドを知るシリーズ第3弾として、アイルランド気質がわかると司馬遼太郎センセイオススメのDVDを購入。ジョン・フォードが1952年に4度目のアカデミー監督賞に輝き、今もこの最多記録は破られていないという名作喜劇だ。アイルランド移民の13人兄弟の末っ子である巨匠の、自らのルーツへの愛情が画面から溢れ出てます。
自然の美しさは共通だけど、英国の屈折たっぷり「ライアンの娘」とはうってかわって、ハチャメチャでとにかく明るい。おせっかいで、おしゃべりで、隙きさえあれば呑んで歌って、喧嘩しちゃう。農村なんだけど、この人情はじゃりン子チエ感覚だな。
舞台は駅まで8マイルもある村イニスフリー(撮影は西部の村コング)。アメリカ育ちのショーン(ジョン・ウエイン)が帰郷して生家を買い戻し、近所の勝ち気な美女メアリー・ケイト(モーリン・オハラ)と恋に落ちる。生家を手に入れ損ねた、高圧的な兄ダナハー(ヴィクター・マクラグレン)がヘソを曲げ、周囲の応援でなんとか結婚にこぎつけるものの、持参金問題で揉めちゃう。実はアメリカで有名ボクサーだったショーンは、事故が元で暴力を忌避する「静かなる男」になったのだが、メアリー・ケイトを失うことには耐えられず、ついにダナハーとド派手な殴り合いになって、村は上へ下への大騒ぎ。しかし喧嘩で男同士に友情が芽生え、カラッとハッピーエンドに。
野良競馬の興奮や女たちの精一杯のお洒落ぶり、村の男たちが当然のように、新居に家具を運んでくれたりする温かさ、素朴さが微笑ましい。持参金を重視する風習は古臭いものの、妻が使用人ではない証なのだ、という現代的な意味をもたせている。大詰めで、村じゅうを駆け巡るファイトシーンのスペクタクルと、牧師も警官も止めに入るどころか、どっちが勝つか賭け始めちゃうのが、文句なく楽しい。
村上春樹のエッセイで、「僕は何かすごくいやなことがあると、ビデオで『静かなる男』を見ることにしている」と書いていて、びっくり。なるほどなあ。そしてジョン・ウェイン。実はしっかり観たことなかったんだけど、無骨で格好いいです。

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